臨床におけるキーポイント

• しばしば市中感染の起炎菌となるグラム陽性球菌（ブドウ球菌・連鎖球菌）に有効。
• しばしば市中感染の起炎菌となる感受性のよいグラム陰性腸内細菌（大腸菌、クレブシエラ、プロテウス・ミラビリス）に有効
• 皮膚感染症（→ブドウ球菌・連鎖球菌）、単純性尿路感染症（→大腸菌、クレブシエラ）、術前予防投薬の第一選択薬となる。

薬物動態

• 体内によく分布・移行するが、血液脳関門は通過できない（髄膜炎に無効！）
• 腎排泄。
• 血清半減期は1.8時間。少なくとも8時間おきの投与を行う。

抗菌スペクトラム

• グラム陽性菌では、ブドウ球菌・連鎖球菌をカバーする。
• グラム陰性菌では大腸菌とクレブシエラ、（プロテウス・ミラビリス）に有効。
• 狭域抗菌薬であるが、上記のとおり、市中感染を起こす頻度の高い病原体に活性を持っている。

臨床応用

• 黄色ブドウ球菌感染症治療（標的治療）の第一選択薬
• 皮膚感染症（連鎖球菌・ブドウ球菌に効くので）
• 単純性尿路感染症（大腸菌に効くので)
• 外科手術（下部消化管を除く）時の術前予防　

用法

• 1g 8時間おき
• CCr 10-50ml/minでは1g12時間おき、10ml/min以下では0.5g24時間おき

MEMO

• ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、クレブシエラ、プロテウス・ミラビリス。
• 以上の菌にしか効かない。
• だから、臨床での位置づけが極めて明瞭である。