ダプトマイシン


臨床におけるキーポイント

○ グラム陽性菌にのみ活性をもつ(スペクトラムはバンコマイシンに類似)。

○ 特に心内膜炎を含む血流感染でバンコマイシンに匹敵する効果が期待される。

○ 肺炎には投与しない(肺サーファクタントで失活)

○ 骨格筋毒性に注意する。


■薬物動態

○ 骨髄や炎症のない髄液には移行不良

○ 肺ではサーファクタントとの相互作用で活性が低下する。(肺炎に使わない)。黄色ブドウ球菌による血行性肺感染(敗血症性肺塞栓)には有効らしいが、筆者は使わない。

○ ほとんどが未変化体のまま尿中に排泄される。

○ 半減期は7.3-9.6時間である。


■抗菌スペクトラム

○ ほぼすべてのグラム陽性菌


■臨床応用

○ 皮膚軟部組織感染症(バンコマイシンやβラクタム系薬と同等の効果)

○ 黄色ブドウ球菌による血流感染・右側心内膜炎(標準治療に非劣性)。6mg/kg、q24hで。

○ 心内膜炎に対してはゲンタマイシン、もしくはリファンピシンの併用が有効かもしれない(相乗効果が示唆されている)

○ 骨髄炎(8-10mg/kgが望ましい?移行性のよい薬剤と併用で。)、関節炎(リファンピシンと併用されることが多い)


■用法

○ 1日1回投与(2回投与では骨格筋毒性が増加する)

○ 4mg/kgを生理食塩水100mlに溶解して24時間おきに30分で点滴する。(糖液には不適合)。心内膜炎に対しては6mg/kg。

○ 腎機能低下時(Ccr 30ml/min以下)では48時間毎投与として、筋毒性に注意。

○ 妊婦への安全性:FDAカテゴリーB

○ アミノグリコシドによる腎障害に対して保護的に作用するかもしれない。


■MEMO

○ MRSAによる血管内感染症におけるバンコマイシンの代替薬。

○ 呼吸器や骨関節感染症の治療には不向きです。